
NOVEL
みんな、ボドになった。
夏目晶
この村では、二十四になる年に必ず参加しなければならない祭りがある。奇妙な面をつけ、大きな被り物をし、体中を墨と泥で汚した神に身を扮して家々を回り、その家のケガレを一身に集めて、最後は村の奥にある沼に落とし込むという祭りだ。その異形の神の名から「墓頭まつり」と呼ばれているこの祭りに参加するために、私は、この裕福で美しい村に戻ってきていた。この、裕福で美しくて、大嫌いな村に。

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